NASAが開発したUFOです。
先月(2014年6月)に初実験を行ったそうです。
UFOというと「未確認飛行物体」(Unidentified Flying Object)なので「空飛ぶ円盤」が正しい表現なのでしょうが、日本だとUFOという言葉のほうが一般的ですね。
普通に考えるUFOだと未来の飛行技術を使って音もなく超高速飛行をするというイメージですが、こちらは普通にロケットエンジンを使用しているようです。
この飛行物体、正確な名前は「低密度超音速減速機」(LDSD)と言うようです。
要するに超低密度な空間=気圧が少ないところで超音速のスピードから減速するための機体、ということで地球では必要性がないのですが、火星など大気が少ないところで音速を超えるスピードから減速して着陸するための実験を行っているのです。
この円盤状の形は減速するためのもので、火星の大気に近づき着陸する際にドーナツ状の風船を膨らませます。風船を膨らませることで薄い大気でも減速するだけの十分な抵抗を受けて、ある程度減速した段階でパラシュートを開いて着陸するというステップを踏みます。
今回のこの初実験ですが、海に着水するときにパラシュートが開かずに着水というよりも落下した格好になったようです。万事成功とはいかなかったようですが、それでもこの空飛ぶ円盤という形だけで話題性は抜群です。
▼着水したLSDSを引上げ中
火星の大気は地球の100分の1しかなく、地球で考える普通の着陸方法が使えません。
過去、火星に着陸した探査機だとパラシュートで途中まで減速して、その後は逆噴射用の装置で探査車を吊り下げて軟着陸させるキュリオシティ(AstroArts)だったり、大きな風船につつまれエアバック状にして地上に落下させてバウンドさせながら着陸させたマーズ・パスファインダー(Wikipedia)などがありました。
▼キュリオシティの着陸
▼マーズ・パスファインダーの着陸用エアバッグ(テスト風景)
キュリオシティの着陸方法を説明したページはマウスのスクロールで実際に上空から着陸するまでの動きが見れて楽しいです。
ページを表示後、スクロールをグリグリしてみてください。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/interactives/edlcuriosity
参考:
NASA(Jet Propulsion Laboratory)
wordlessTech
WIRED